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永久脱毛からのひらめき

常夏特有の爽やかな風が吹上ハワイ・ワイキキ島の夜。 ピンクの外壁が清酒なホテルに、全長15メートルはあるロールスロイスが1台、2台と横づけにされました。
その数、およそ10台。 そして、そこから20代、30代の日本人女性およそ100名が「キャー、キャー」と歓声を上げながら降り立ちました。
みんな、まるで南国の蝶のように色とりどりのドレスに身を包んでいます。 ドルチェ&ガッバーナ、クロエ、アルマーニなど。
女性なら重液のブランドもののドレスを着た姿は、映画『プリティ・ウーマン』顔負け。 アカデミー賞授賞式に出席するハリウッドスターさながらのロングドレスに身を包む女性までいます。
そして、彼女たちが揃って向かったのは、セレブが結婚式を挙げることでも有名な郊外にある大ホール。 中には、巨大なフルーツ盛り、お寿司、ステーキといったディナーが所狭しと並べられ、ドン・ペリニョンやテタンジエといった高級シャンパンがダース単位で用意されています。
そして、宴もたけなわ。 いよいよ、本日のメインイベントが始まりました。

言い遅れましたが、これは某エステティック会社が開催する、年に一度の忘年会兼表彰式の光景です。 「Tさん、あなたは年間1億円を売上げ、わが社の全店舗のエステティシャンの中でl位になりました!おめでとう!」会場中を割れんばかりの拍手が包みます。
そして、涙をこらえながら壇上に上がる若い女性。 社長からトロフィーを授与され、その女性は涙ぐんでいます。
「社長を信じて頑張ってきたおかげです。 これからも、精一杯頑張ります」感涙のあまり、この女性はもはや声にならない様子です。
「おめでとう、Tさん。 Tさんには、社長賞として、アウディの新車を贈呈します」。
会場が、拍手と溜め息で一杯になります。 「アウディだって。
Tさんヘスゴ〜い」そして、2位、3位の女性たちが次々に表彰されていきます。 「おめでとう。
Sさん。 Sさんには、バーキンを贈呈します」ほかの女性たちからは、希望の眼差しが注がれます。
この日、表彰されて壇上に上がった女性は10名。 1人は400万円は下らない、アウディの新車を手に入れ、残り9人は、70万円以上するうえ、注文してから4年待ちは当たり前というあの「伝説のバッグ」エルメスのバーキンを手に入れたのです。
触ったこともない憧れのバッグを手にして、涙を流す女性たち。 そして、彼女たちを羨望の眼差しで見つめるほかの女性たちの大歓声。

最後は、「みんな、わが社の発展のために、年間売上げ30億円を目指して頑張っていこー」の社長の掛け声とともに、この豪著な夜は幕を閉じたのでした。 このお話は、私がかつて経営していたエステサロンで働くエステティシャン・Yさんが、以前に勤めていたあるエステサロンの忘年会での出来事です。
彼女は、非常に優秀なエステティシャンでした。 当時のエステサロンで店長クラスとしてコンスタントくに月500万円以上の売上げを4年以上出し続け、年収は約800万円。
成績上位者ともなれば、年収は1OOO万円を超える人もいると言っていました。 しかし、次第にこの会社の高額ローン勧誘、路上でのキャッチセールス、施術のクレーム処理のいい加減さなどから嫌気がさし、「マトモなエステ」を求めて、当時私が経営していたエステに転職してきたのです。
当時、Yさんは、よくこう言っていました。 「私が無理に勧誘したお客様のお金が、私たちのバーキンやアウディに化けてしまったのかと思うと申し訳なく思えてきて」悪徳エステに勤めた経験のある多トくのエステティシャンは、彼女のように罪悪感に耐えきれず、エステサロンを辞めてしまいます。
そして、客に対して行っていた強引な勧誘やいい加減な施術に、彼女は今でも罪悪感が残っているようでした。 退社して5年以上経った今でも、Yさんがそれほどまでに罪悪感を抱くエステの勧誘とは、一体どのようなものなのでしょうか?彼女は「正直、当時はお客さんがお金にしか見えませんでした」と告白します。
毎月のノルマを達成するため、どう見ても拒食症でカラダがガリガリに痩せ細ったお客様に、「代謝を上げて体質改善しましょう」と数々の痩身コースを売りつけたり、シミ・ソバカスを気にするお客様には、「このままじゃ、顔中シミだらけになっちゃいますよ」と脅したりする。 毛深いことがコンプレックスのお客様には、「やっぱり、全身毛だらけじゃ、男性が引いちゃいますよね」と切り捨てる。
太り気味のお客様には、「自分一人じゃ痩せられないから、ウチに来たんでしょ?続けないと、いつまでたっても太ったままですよ」と迫る。 それでも、営業ノルマに達しないときは、イケメン男性従業員を同行させて、片っ端から女のコをナンパさせ、喫茶店に連れ込み、美顔器を売りつけるなんていうヒドいことまでしていたと言います。
「それでも、自社商品は絶対的な効果があると信じていました」、社長が『売上げ日本一を目指そう!』と息巻いていたので、私も必死に頑張ろうIという気になっていたんです。 どうせやるなら、ナンバーワンの売上げを立てられるエステティシャンになりたかったですしね」甘美さんは、そう言って溜め息を漏らしていました。
しかし、そこまで強引に勧誘しておいて、果たして施術の効果はあったのか?彼女を悩ませるのは、実はそこ。 施術の内容もいい加減だったと言います。

「高校を卒業したばかりの女のコをまとめて採用し、2〜3日研修をさせると、もう現場に出してしまうのです。 だから、脱毛を失敗して皮膚が真っ赤になったとか、強くカラダを撮まれて体調が悪くなったとか。
お客様の苦情やトラブルが絶えることはありませんでした」中には、きちんとエステティシャンの学校に通い、民間資格を取得している人たちもいます。 しかし、悪徳エステでは、まさにド素人と言っていい人たちが、あたかもベテランのエステティシャンであるかのようにお客様の対応をしているわけです。
そのため、中途解約を申し出るお客様もいたようですが、「違約金としてローン契約の30%も取るのです。 まだ、1、2回しか施術を受けていないというのに、なぜそんな高額な違約金を払わなければいけないのか」とも言っていました。
この解約時のトラブルもまた、エステの悪いイメージを作る要因の一つとなっていると言えるでしょう。 また、彼女のいたエステサロンでは、エステティシャンに厳しいノルマが課せられていました。
その挙げ句、尊敬していた先輩が自身のノルマを達成するために、自社製品を自らローンを組んで購入していたことまで判明したというのです。 「そこまでして、ナンバーワンエステティシャンになる意味があるのかと、情然としました。

それで、結局その会社を去ることにしたのです」私がこの本を書くことにしたのもYさん同様に、日本のエステ業界に対して強い憤りを感じているからにはかなりません。 しかし、私自身がエステを経営する「エステ屋」でもありました.そう、私は(MOO0年から約7年間も、エステの経営に携わってきたのです。
ではなぜ、元エステサロンの経営者がエステの裏側を告発本を書くのか。 私がエステビジネスを始めたきっかけは、10年前に訪れたイタリアで、ある出来事があったからです。

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